2015年にアルバム出してよ10選
NME曰く「終わったと言われるアルバムというフォーマットと、それでもそれを作り続ける気合いの入ったアーティストたちをいつも以上にセレブレイトしたい」とのことなので、その終わったフォーマットに力をつぎ込んでほしいというリスナー(音楽をダメにする方)のエゴがにじみ出た記事です。
■Beck
今年もうアルバム出てるのですが、自分が真に望んでるのは2013年に出たThe Sampsのメンバーが絡んでるシングル群「Defriended」「I Won't Be Long」「Gimme」が収録された今年後半に出ると噂されていたアルバムなのですよ。この一連シングルはライトでスペーシーな感触ながらもズブズブと沈むようなミニマルなビート感がいかす。頼むぜガイ。
■Elen Never Sleeps
目下の最新作「Rum EP」は、ワイルド・ナッシングスの「ノクターン」に憑りつかれたカインドネスの1stみたいな腰を柔く振らす夜想曲集でした。それがリリースされたのが1年以上前で今年はほぼ沈黙だった。このまま沈黙を続けるのか、それとも何かを用意してるのか・・・と。そもそも3年前くらいからElen Never Sleepsのアルバムはずっと期待してます。いい声~。
■GABI
"Software Releases Opera Singer"
歌姫という言葉は今や手垢まみれすぎてメディアすら使わなくなったけど、ここには歌姫と呼びたくなるシルキーで高貴、そしてどこか不気味な正しく姫。Software主催者のOPNの去年の名盤「R Plus Seven」のプロデューサーが手掛けてるそう。確かにあのアルバムにあった虚ろな聖さも感じる・・・やっぱビョークっぽいっていわれるのかなあ。違うのになあ。
■GELLERS
トレンディ・エンジェル!今年の秋にリリースとなった「Cumparsita」は今までと比べ一気に垢抜けてグラマラスでファンキーでアウトローの色気も感じさせて、良し悪しともかく「ダサい」とレッテルを貼られる昨今のバンドという演奏形態に、自分が本当に求めてるものが全部詰まってる。
■清竜人25
「奇才・清竜人が手掛けるニュープロジェクトはなんとアイドル?!」みたいな雰囲気出してるけど、萌え声の声優に「りゅうじんくん♡」と歌わせてたのと比べると変態と天才のバランスが調和されてるように思えてくる。兎にも角にも夫人たちがギャル的な可愛さで最高。髪型と誕生日が同じという理由で亜美第3夫人推しです
■Jai Paul
リークされたデモ音源アルバムで多少ガス抜きされたところもあるけど、おそらくアルバムへの期待度が一、二を争うほど高いソングライター。プリンスを解体して再構築したような濃厚ながら腹持ちも良くアブストラクトなエレクトロは月並みな表現ですが中毒性高しくんレコーズですよ。
■Saint Pepsi
今年出た7inch「Fiona Coyne/Fall Harder」、「Fiona Coyne」は今までのディスコ路線をビルドアップさせて、なおかつスムーズに仕立てていて、Vapor感は隠し味程度のHit Vibes溢れる曲で、「Fall Harder」は親交の深いSpazzkid譲りのドリーミーなエレクトロニカをファンキーに刻んだ曲。どちらも名曲と呼ぶにふさわしい仕上がりです。Vaporwaveから始まりBillbordを制しそうなポップの魔力。僕がダンサーになった理由。
■Sugar's Campaign
「ネトカノ」公開時にはなんとなくスルーしてたものの、彼らが曲を手掛けた泉まくら「東京近郊路線図」が良かったのと、その曲がリリースされた時にアーバンを終わらせる云々とつぶやくその心意気が頼もしく思い、「ネトカノ」を改めて聴いたら、ブックオフの500円以下コーナーでは手に入らなさそうなそのフューチャリスティックなハイパーポップで良かったっす。更に今秋、メジャーデビューということで大衆音楽になって、スマホの待ち受けがリトル・マーメイドのアリエルみたいな女子にも聴いてほしいっす。
■TRMTRM
元リリーズや元サイサリがメンバーということで国産ポストパンク好きにはたまらないスーパーバンドですが、このバンドの音楽を夢見心地なサイケ。でもドリーミーなだけでなく、どこか泥臭さ、フォーキーさすらもある。たまを少し思い出してみたり。
■Tobias Jesso Jr.
現在公開されてる曲、「Just a dream」「True Love」「Hollywood」のタイトルのオーソドックスさとピアノバラッドとしての堂々たるスタンダードナンバーっぷり。場末のレストラン・バーで歌って欲しすぎ問題。チェット・JR・ホワイトプロデュースも納得。