最近聴いているアルバム(Frankie Cosmos周辺)
■Frankie Cosmos「Next Thing」
Frankie Cosmosをメディアで推されると不思議な気持ちになる。曲の良さはともかく、まるで精巧なアートが並べられてる中で、女の子が日課で作ったアクセサリーも一緒に展示されているみたいな。だからこそメディアで推すのだろうし、Best New Musicを獲得するのだろうけど。
とはいえ前作「Zentropy」の時と比べるとビルドアップされており、いささかバンドとしてのドライブ感が前に出てきてる。故にハンドメイドの質感が減少して、そこで寂しくなる部分もあるにはある。しかしだからこそ顕著になる歌の良さ、タイニー・メロディの美しさ。本当言えばメディアで推されたり、Best New Musicを獲得どうこうというように持て囃す作品ではないんですよ。だからこそ傍に置いておきたい。
■Porches「Pool」
そんなFrankie Cosmosの恋人Aaron Maineによるユニットのアルバム。
「Pool」というアルバム名だけで想像できる期待を裏切らないアンニュイでビターで少しだけ甘いシンセポップが紡ぐ夜の憂鬱。とはいえ、こちらもPitchforkでBest New Musicを獲ったこともあり、手垢にまみれたインディーの音像でもある。でもよく聴くとフリーキーに攻めたアレンジが隠し味程度には仕掛けられていて、 そこに飽きない魔力。
■TV Girl「Who Really Cares」
でもってFrankie Cosmosも参加したTV Girlの2ndアルバム。nypでもあります。
サンプリング・ミュージックといえば、もうThe Avalanchesであり、「Since I Left You」という絶対的なパーティーについてのアルバムが君臨して早10数年。とにかくサンプリング・ミュージックは「Since I Left You」の影響下としてパーティー・ミュージックなのが一般的というか、そこにこちらも違和感なく接してきたけれど、これからこのアルバムみたく歌心があるアルバムが増えるのかもしれない。前作もリリース時に聴いていたけれど、サントラであまり他で聴かないアルバムくらいだな程度には思ってたけれど、特別ヘビーローテーションしたりはしなかった。ただ今作は、これはムーブメント手前の作品と賛美したくなるアルバム!特にラスト「For You」~「Heaven is a Bedroom」の流れは絶品。
一つ近い作品を挙げると、カーネーションの名盤「天国と地獄」の1曲目「オートバイ」。そういえばあれもサンプリングを駆使した曲でした。