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8月前半聴いたの

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People In The Box「Wall,Window」「聖者たち」

シングル・アルバム2枚同時発売のアルバム「Wall,Window」、ネギっ子(ニラ?)なジャケが目印。
「3ピースであれば楽器はどれでもいいと思って鍵盤を弾いたけどギターでまだまだ出来る」みたいなことを前にいってたけど、このアルバムの約半数でついに鍵盤弾きました。
しかし、やってることは「Ave Materia」からそれとなく続いてた牧歌的な路線はそのまま。「Family Record」期のギターロック然した路線も戻ってきているけど。そしてこれまでのピープルの中で「Family Record」の時のピエロの如き露悪っぽさもなく、自然体で開放的。それこそ他のいくつかのレビューの通り、窓を開けて木漏れ日が射すような爽やかさ。
ただそれで明るいと呼べるかは別で、特に童謡のような朗らかな今作のベストトラック「花」の最後の2行「未来を失う未来も来ることを忘れないでね」に顕著に表れている、拭う事の出来ない哀愁をそこかしこに感じる。・・・でも正直、ピープルならこんくらい手癖でいくらでも作れるんじゃない?と覚えるような部分もなくもない。でも夏にピープル聴きたくなったら、このアルバムが似合うのでは。

シングル・アルバム2枚同時発売のシングル「聖者たち」、深夜アニメのエンディング。
アニメエンディング書き下ろしの表題曲「聖者たち」は語るように囁くように歌うグランジの洗礼を浴びた不穏な雰囲気を纏ったミディアムチューン。ピープルの曲でセクシーって思える曲が出来たのは個人的にすごい嬉しい。
2曲目「あなたのなかの忘れた海」は最近のロックバンドが何故かやらなくなった壮大な夜のロックバラード(きのこ帝国はアトモスフェリック過ぎて違う、あれはあれで最高だけど)。誰かが「ロックバンドは海と花束のことを歌ってればいいんだよ」と言っていたが、その海についてこの曲は歌っている。もっと正確に言うと、海に行きたい願望について、しかも「そこで悪夢は終わるよ」って歌う。なんて雑な逃避願望!しかしそれこそ自分のモラトリアム心をくすぐる。そう、海へ行くんだ。ギターポップAORもロックンロールもそれしかない。
3曲目「天国のアクシデント」、こっちは相変わらずのピープル。アトモスフェリックでボーカルの多層的な重なりが神聖な印象を与える。途中の不穏なパートの民族的なヘイ!のコーラスもダレなく聴けるためにちょうどいい。
カップリングにいい曲が入ってるのを隠れた名曲だよね~と盛り上がるのは、最高の肴なのだが、このシングルのカップリング2曲もそうなりそう。総じて楽しいシングルでした。




■FKA Twigs「LP1」

ほとんどのメディアで絶賛してるFKA Twigsの初アルバム。それこそ音楽性の比較対象としてたまに名前が上がるJames Blakeのファースト並の。ラジオで青山テルマもオススメしてたとの事。
先述の通り、FKA TwigsはPortishead、James Blake、Bjorkと比較される音数が少なく陰鬱なR&Bです。PVがゴールデンな仕上がりだった「Two Weeks」も映像に騙された明るくなったと思ったけど音源単体で聴くと明るいとは呼べない印象。
そういえば「EP2」で曲の良さ以外で注目を浴びた理由にKanye West「Yeezus」にもかかわった時代の寵児Arcaが全曲共同プロデュースしたことがあるのですが、今作では2曲くらいしか参加してませんが、日本版ボーナストラックにもなったFKA Twigsとしての処女作「EP1」から上記のミュージシャンと比較しようとも、すでにミュージック・コンクレートで使われていそうな音を最小限ランダムに配置した上にビルボードR&Bな甘いボーカルが乗る唯一無二のスタイルを確立してるし、「LP1」もそれは変わらず。その蠱惑的な神秘性はブラックホールのように自分含め人々を引きずり込む魅力があります。結局これは何だったのか、まだよくわからず、また聴いて引きずられていく。民族的化粧が突然変異したような印象的なジャケがそれを引き立てます。