Maison book girl「Image」

f:id:iruikonintan:20170409230625j:plain

 


2016年メジャーデビューした4人組女性アイドルによるメジャー初アルバム(通算2枚目)。

音楽性はプロデューサーであるサクライケンタ氏は自身の音楽を現代音楽とポピュラー音楽のクロスオーバーとして「現音ポップス」と称していています。ということもあって基本的には前作「bath room」と方向性は変わらず、断片的で聴き手に想像を委ねる歌詞、クラシカルで変拍子のエレクトロポップ。しかしメジャーの恩恵もあり音の奥行きは増し、順当なビルドアップといった印象。

現代音楽の影響を受けているといっても、あくまでポップスなので敷居の高そうな雰囲気は皆無。それは6曲目の10分に及ぶインスト曲「Int」にも通底しています。というか自分はこの作品には「青臭さ」「エモーショナル」を感じていて、そもそも10分に及ぶインストが入っていること自体、サクライケンタ氏のイマジネーションが爆発していて、途中で遊び曲も入れず、ストイックにダークファンタジーな世界観を突き詰めていて、現時点でやりたい事やり切っているように聴こえる。その為、同じような曲に聴こえることもあるのですが、そこ含め「Requiem for Innocence」期のART-SCHOOLを思い出させて、勝手にエモくなる。



f:id:iruikonintan:20170409230722j:plain



ここ最近のアイドルシーンは端から見ると、少しでも目立とうとして奇を衒ってスベってる印象があったのですが、最大手の欅坂46やアイナ・ジ・エンドのかすれ声が響くBiSHを聴くとロックでかっこいいですね。所謂「ロキノン系」を良い意味で形容したくなるポップさ。その中でも登校前に毎朝People In The Box(こちらも変拍子を多用してる)を聴いていた身としても、ブクガの音楽はドンズバでした。ちなみに曲は「Townscape」、ルックスは矢川葵氏キャラクターは和田輪氏が一番好きです。






Suchmos「THE KIDS」

f:id:iruikonintan:20170203232445j:plain





まず1回通して聴いてみて、笑ってしまった。「SuchmosがめっちゃSuchmosしてるー!」って。

f:id:iruikonintan:20170203233132j:plain

いや、ここ1年で「夜の都会の若者たちのブラックミュージック」としてブランドになったといっても過言じゃないくらい一気に知名度を上げた彼らの待望の2ndアルバムなんですが、先行ヒット曲「STAY TUNE」、「MINT」を聴いていると、「Sweet Days」とか歌ってた時のブランキーに憧れるロックキッズとしての彼らも顔をのぞかせていたので、特に「PINKVIBES」「TOBACCO」を聴いていると想像以上にアダルトで都会的な部分にフォーカスされていてビックリした。しかし先行ヒット曲で魅せた軽やかでキャッチーな肌触りからは遠い、黒いグルーヴに重きを置いた渋めのサウンドには戸惑いました(ここら辺の外し加減に先輩であるGRAPEVINEの影が近づく)。このライトリスナーに対しての容赦のなさは今作の歌詞以上に挑発的。正直、全編に渡って挑発し過ぎでちょっと疲れる部分はあるんですけど、ただこの挑発的な態度こそSuchmosがSuchmosたる所以で、なんかもうおなか一杯です。