Maison book girlワンマンライブ「Solitude HOTEL ∞F」@LINE CUBE SHIBUYA

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毎回、公にアナウンスがあるわけではないが4thアルバム「海と宇宙の子供たち」のリリースイベントを兼ねているであろうMaison book girl主催ワンマンライブ、「Solitude HOTEL」シリーズ8作目に行ってきました。
realsoundのインタビューになぞらえていうならば、タレント性より空間演出の方に重きを置いた「Solitude HOTEL」シリーズは好評で、かくいう僕も“ライブハウスでおいおい煽ってほしくない”という身勝手な願望をブクガに抱いてることもあり、2年前の12月に観た「Solitude 6F yume」の3rdアルバム「yume」の世界観を余すことなく伝えた演出に感銘を受け、新年1発目の景気づけということもあり遠征して観に来た始末であります。

 




開催場所のLINE CUBE SHIBUYAってなんじゃそのチャラい名前はと思ったら渋谷公会堂の事だった。ということで初めての渋谷公会堂体験でもあります。マップだけ見ても気付かず渋谷駅から向かうと坂道が多くて想像以上に疲れた。

今回ギリギリまで行けるかわからなかったので当日券にするつもりがチケット買う前に売り切れたので、S席を譲ってもらい入り口から見て左側1Fの9列目で鑑賞しました。近距離だ。



以下、箇条書き。

・開演時間10分遅れで幕が上がって近距離ブクガ緊張するなーとおもったが、透過式LEDスクリーンに映る海面越しに踊り出してその距離の遠さにまた一つ信頼を重ねる。
「闇色の朝」はPVバージョンの途中で一旦無音になって映像バグりだすver.でした。こっちの方がライブ映えするかも。(今思えばこのアレンジがそのまま今回のライブの中枢につながっていく気がするな…。)
・わざとかもしれないですが「room(s)」の無音部分での足音がバタバタ鳴るのが気にならなかったといえば嘘になる。
・基本的に過去曲の方が演者が慣れることもあってビルドアップした良さが出るのだと思うのですが「狭い物語」「夢」での矢川葵さんのヴォーカルは演出を除いた部分では白眉でした。「夢」冒頭の寝ながら歌うのも乱れたヴォーカル含めムード満点。
「長い夜が明けて」「LandmarK」と新譜からの楽曲が続き振り付けといいユニゾンといい今までのブクガの延長でありつつオーソドックスにアイドルっぽいなと思っていたら「ノーワンダーランド」で矢川葵さんに手拍子を求められて「おいおいSolitude HOTELシリーズだぞ?」と周りの客含め困惑してたら、「my cut」でOuiコールで煽り始めて「マジか売れる気だな~~~!」と苦笑いと微笑みが同時にこぼれたと思ったら最初のサビが終わった後にノイズが入って透過式LEDスクリーンの裏へと回り込んでピアノバージョンである「MORE PAST」に。その瞬間に新譜の大衆向けムードがちゃぶ台をひっくり返す伏線になっていたと気づいた。ブクガチーム怖いなー。
というか「海と宇宙の子供たち」の大衆向けムードにサクライケンタ氏がそこにある毒気が抜かれたとネガティブに思ってしまう部分含め想定してたより遥かに自覚的だった。間違いなくこの演出が今回のライブの白眉でしょう。すっかり引っかかった。
・ということでここから最後まで重苦しいムードがずっと続く。語りのない「Water」は窒息しそうだ。
「思い出くん」は3人の語りに合わせたコジョージのダンスが凛々しくてよかったですね~。ただ今回の締めの曲だと予想したので、まだ続いて最後が予想がつかなくなる。
・逆再生イントロからの「bath room」で懐かし枠だ!となっていたら2番のサビでテンポがスロウになって崩壊しだして挙句どんどんブクガが舞台袖に入ったと思ったら次々血塗れになって出てきた。ホラーゲームか???サイレントヒルみたいな???
・崩壊したノイズまみれの音の中で「こうするしかなかった」みたいなことを言っていた。おそらく「umbla」収録の「告白」
・そして血塗れのままで「悲しみの子供たち」を歌って終了。





あ~~~つかれた~~~。

トイレ行こう~~~と思ったらまさかのベストアルバム「Fiction」の告知。なるほど~と思ったら鐘の音やノイズに塗れたメガミックスが流れて、今回の公演の疲れも合わさって観客は拍手もできず茫然としていて葬式みたいな空気が5~10分ほど流れていた。そして公会堂の無機質な終了アナウンスでやっと現実に戻ってきたみたいなムードになった…。





あ~~~!つかれた~~~~~~!!

正直、途中まで前に観た「Solitude 6F yume」の方が流れが綺麗だなと思ってたんですが、「my cut」~「MORE PAST」の下りで脳みそ揺さぶられてずっと混乱しながら観ていた気がする。原曲を破壊するようなアレンジや仕掛けが幾つもあってニマニマしてしまった。オタクは破壊が好きなので…。今回、血塗れという直接的な表現もあったけど、破壊の仕方に(特にインディーズの)サイコホラーゲームっぽいなと思った。「闇色の朝」のペイントみたいな画風もそれっぽい。
にしても「鯨工場」の今までの活動を総括するような歌詞も今回の崩壊のインパクトのための布石かと思うともうブクガ信用できない!となる。4月リリースのベストアルバムも絶対ワナが仕掛けてあるでしょ。なんかもう本当疲れた。新年最初がこれって。





セットリスト(音楽ナタリーより引用)

SE. 風の脚
01. 海辺にて
02. 闇色の朝
03. room(s)
04. 狭い物語
05. 夢
06. 長い夜が明けて
07. LandmarK
08. 鯨工場
09. ノーワンダーランド
10. my cut
11. MORE PAST
12. レインコートと首の無い鳥
13. karma(cloudy ironyバージョン)
14. water
15. シルエット
16. 思い出くん
17. ランドリー
18. bath room
19. 悲しみの子供たち