十三月 presents " 全感覚祭 18 " 2日目

f:id:iruikonintan:20181104215905j:plain



GEZAN主催レーベル「十三月」による投げ銭制野外音楽イベント「全感覚祭'18」のため大阪に日帰りで行ってきました。(1日目は仕事の為行けず、the hatch観たかった~。)

最初、グーグルマップ通りに会場近くまで来たものの場所が分からなかったが、橋の下にあるんですね。階段を下りても音楽ステージ道路を歩いてたどり着いたのはODD REDステージ。

自分が着いたときにはGofishが始まってました。会場が海に近いせいか潮風がマイクに当たってノイズを出しながらアコギ一本で歌うGofishは寂しい感じがあって良かった。割と太陽出ていて暑めの天気だったんですが、厚手のコート着ていたから余計にそう見えるのかもしれない。

次は廃屋みたいな建物の中にあるWHITE RIOTというステージでBIRUSHANAHというバンドを観た。今回このイベントの出演者を調べている中で初めて知ったバンドなんですが、右側に全身に入れ墨入れたギタリスト、真ん中にドラマー、そして左側にはドラム缶などの金属でできたメタルパーカッションの3人編成。飛び道具感満載ですが、本能的な快楽を追求した結果こうなった長尺和メタルにメタルパーカッションの無機質な音が加わり殺傷力は抜群でした。気のいいあんちゃんみたいなMCとのギャップもいい。今回のイベントのコンセプト「Tribal Sream」を一番わかりやすく肌で感じた。

そしてまたODD REDステージに戻って次はRopes。今回はマニピュレータを含めた3人編成だったんですが、マニピュレーターが機材トラブルで動かないそうで急きょ生ドラムに変更。とにかくachiko氏の歌が上手すぎてビビった。天まで届くかくらいのびやか。そしてトディのエフェクトまみれのギターも幽玄的でした。ここにマニピュレータが加わったら更にアトモスフェリックな空間になると予想するとあれですが、今回の生ドラムによるふくよかな空気もよかったです。

Ropesが終わった後は青葉市子と悩みましたが、WHITE RIOTの隣の飯屋でサラダチキン丼を食べてAge Factoryへ。15分前くらいに会場に入ったんですけど、すでにかなりパンパンで全然前が見えなかった。今月出たばかりのニューアルバム「GOLD」はかなり開けたポップな内容でしたが、初っ端のニューアルバム表題曲はアンセミックなコーラスと全く失われていなかったハードコアの暴力性が共存していてただでさえ狭い故に暑い会場がさらに暑くなり、そこからノンストップで熱を落とさず駆け巡る30分。飛ぶ鳥を落とす勢いというのを直に感じましたね。

そしてODD REDでkillieを観た。Vo.が声質か音量かわかんないけどあまり聴こえなかったのがそういうスタイルなのか気になったけど、5分経たずにカオティックすぎてどうでもよくなった。とにかくSonic Youthの「Washing Machine」のTシャツを着た人のギターがかっこよかった。狂乱。

そのままODD REDステージでTHE NOVEMBERSを観ました。立ってた位置が悪かったのか逆光でほぼステージの風景が見えないままライブが始まりましたが、鋭角のノイズをぶちまけることなく直線的に会場に響かせるハードコア。この前がkillieだったこともあるのかもしれないですが、メロディもしっかりしていて、ハードコアの風速と同時に(ラストの「いこうよ」だけではなく他の曲でも)暖かさを感じましたね。ラストの方になると太陽が沈んでメンバーの姿も観れましたが本当に背が高い。

次は踊ってばかりの国ですが、バックの夕暮れと牧歌的なサイケの音が融和していて、恍惚感がすごかった。何度も下津氏が曲間でロックンロール!と叫んでいましたが、マジでその通りで個人的人生ベストライブの1つであるDeerhunter@HCAN2016を思い出しました。あまり今年出たアルバムを聴いていなかったのですが、「evergreen」「boy」といった名曲具合を遅刻しましたがやっと認識できましたよ。

そしてBLUE HEAVENへ移動。ODD REDと比べると小さいステージですが、その分演者との距離も近い。そんな距離感で波多野裕文(People In The Box)のライブです。ギター1本でTTの時間より少し早めにスタート。アコギ一本で淡々と歌っていくのですが、言葉のチョイスとメロディーの強度で贔屓目で観てる部分があるとしても、とても聞き流すことはできず、「報いの一日」以外はKate Bushのカバーとこのあと買ったソロアルバムからの曲で知らない曲ばかりでしたが芯の部分は同じなので変わらずに沁みた。

終わった後に出待ちの列に並んで無事ソロアルバムも買えて、握手までしてもらう贅沢を堪能しました。

そして次はODD REDステージでLOSTAGE。自分が前に観たのはセルフタイトルのアルバムが出た直後だから8年ぶりですね。まず最初の「さよならおもいでよ」の“私のもの、私のこころ”の部分でそれになってしまいましたね。個人的には「SURRENDER」ってそこまで好きな曲じゃなかったけど、生で聴いて良さが沁みたのが嬉しい。

そしてトリはGEZANなんですが、帰りの新幹線のリミットが近づいていたので泣く泣く帰宅。

いや、すごい良かったですよ。大阪だからかわかんないけど今まで行った音楽イベントで一番、観客の髪の色が多彩なのも良かったし、ステージのデザイン、ロケーションの廃工場の感じ、創作に対するイノセントが強烈に目に焼き付いて耳にこびりつきました。