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Special Favorite Music「World's Magic」

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バンド名にしても、一連の華やかでシティポッピーなアートワークにしても、D.A.N.やSuchmosがクールネスを纏いながら、キラーチューンや傑作アルバムで頭角を現してきた現在じゃどこか時代錯誤に感じる。しかしつまみ食い程度のファンキーなギターではなく、バイオリンやサックスが踊る、そんなラブリーなSpecial Favorite Musicの音楽。

「いや、時代性がどうとか評論家ぶった音楽の聴き方してんじゃねーよ。」
「でも結局、無意識のうちに時代に沿った音楽をみんな選んで、聴いている。」

しかしそんなつまらぬ葛藤も、意地も、会話型の文章も、最初の曲「Baby Baby」でラビンユー氏が歌いだすと、遠くへ行ってしまう。ラビンユー氏の一つ一つ音符を紡ぐような歌い方に、儚げな声。そんな歌が曲、そしてアルバムの空気を支配して、先行公開された「Magic Hour」をピークに、一見、楽団が賑やかそうに演奏しているのに、触れたら壊れてしまいそうな半透明の音楽にしています。その半透明さをフィルターに覗いてみれば、何もない日々や、憎たらしい街も美しく見えてくるのかも。

シティポップ・ムーブメントが過ぎ去っても、シティは存在し続けるし、ポップは魔法を宿し、今日もリスナーを魅了し続ける。