möscow çlub「outfit of the day」

 



möscow çlubの2ndアルバム「outfit of the day」はエモいアルバムだった。


 


「CARVEN」のコーラス前のブレイク部分のストリングスの使い方とか、アルバムの始まりと終わりに縦ノリのギターポップが配置されているところとか、その最後の曲「Loewe」の勇ましいドラムとか、思わずグッときてしまう。

謎に包まれているタイプのバンドなのに。

そういうのはエモい。
ズルいくらいに。

そして、かつてはゼロ年代の下半期、MGMTはロックスターを茶化したシニカルなキラーチューン「Time To Pretend」で「見せかけに生きる運命なんだ」と歌ってたんだ。それが起点というわけではないけれど、「見せかけに生きる」ことはテン年代前半の日本のインディーバンド・ユニットに通底しているテーマではないでしょうか。

möscow çlubはここ最近の日本のバンドでも輪をかけて「見せかけに生きる」クールさを携えたバンドではある。プリファブ・スプラウトの魔法のような色仕掛けを参考に、歯が浮くような軽快なNerdwave。その軽快さ、いうなれば「世の中どんどん酷くなるばかりだけど、口笛でも吹いて乗り切ろうぜ」というシニカルさと強さ。そんな音楽に夢中だったことを再び思い出していた。嗚呼グッときてしまう。ズルい。とびっきりオシャレして街へ出ようぜ。

あと5曲分をElen Never Sleepsが作詞しているということで、彼はまだ活動しているんだ!と嬉しくなりました。(もっというならばアルバムの制作を頑張っているという情報もある)

そんなところでもグッときちゃう。