People In The Box「Kodomo Rengou」

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People In The Boxデビュー10周年を締めくくる6thフルアルバム。

12曲60分超、これは「Weather Report」の約70分に次ぐ収録時間の長さ。「Weather Report」は全21曲を1トラックでまとめて収録されていることからも分かるようにアルバムの流れを強く意識しており多くのインタールードを挟んだが、今作「Kodomo Rengou」は1曲1曲じっくりと時間をかけて作られたよう。そのせいで過去最高に創作意欲が渦巻いており、濃密でイビツな仕上がり。それでいてテクを見せびらかす独善的な作品にならないのはポップ愛好家としての矜持か。どの曲も複雑な構造を持って、明確にサビといえるようなメロディも展開もないが、逆にそういった制約から解き放たれたメロディは優雅で中毒性は高い。その中でも特に気に入った曲はバックでうねうねいってるオープナー「報いの一日」、かつての「バースデイ」を超える単語の羅列が気持ち良い「町A」、ピアノリフがGoGo Penguinを連想させる「世界陸上」、美メロ炸裂ミドルテンポの傑作「動物になりたい」。

もはやバンドの立ち位置も、楽曲も、他のバンド・シーンと比べようにも、ねじれの位置にしかいなくて、心のどこへ置いたらいいのか分からなくなってしまうが、そういうバンドこそ、そしてこのアルバムをちゃんと好きといっておきたい。名盤です。

 

 

「やさしい友達」@鶴舞K.D.ハポン

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今年度初ライブです。

「やさしい友達」というのはライブ企画名。今回のライブの主催であるmy exとばけばけばーが友達だと思っているバンドを各1組呼ぶというコンセプトの元、my exは台風クラブ、ばけばけばーはMILKを招致。どちらも昨年に出したアルバムが素晴らしかったバンドで、自分はその2組目当てで向かいました。

当日昼にSOLD OUTになり、当日券ないと予告されてたのである程度予測はつきましたが、開演時間6時半直前に入場した時にはすでにすし詰め状態。もみくちゃになりながら、1番手ばけばけばー…の前にmy exのvo.であるヤングパカパカ氏の父が今日観に来ているとのことで父の思い出の曲(曲名聞き取れず)を披露。その後すぐにばけばけばーへ移行。

初めて聴きましたが、衝動的なストレンジポップパンク、初期オウガや初期シェフを思い出しました。ファズギターのお姉さんがかっこよかった。

お次は台風クラブ。音源そのままの華のある芋っぽさと音源以上の熱気。下町の夏祭りで聴きたい感あるし、めっちゃメロディはポップだし、そりゃ俺も好きになるわと改めて気づかされた。「飛・び・た・い」が特にかっこよかったです。余談ですが、物販のPOPもレトロなスーパーの広告みたいでそういう美意識も人気の一因なのかと思いました。

3番手MILKは相変わらずスカスカの性急なハードコアで、どの曲も同じに聴こえつつも、ところどころメロディ綺麗だなと音源聴いたときには得られなかった発見があった。こういう詩的な存在感あるハードコアバンドが地元にいるすることのありがたさを噛み締める…。

トリはmy ex。前々からTwitterで評判を目にしていたのですが、こちらも聴くのは初めて。クリーンなトーンのダイナソーJr.といった音で、感情が炸裂していました。「ホワイトアルバム」、「ハウトゥクライ」という曲が特に好きだった。

あっという間に時間が過ぎた。全体的に「やっぱりバンドっていいですね」ってなるライブだった。楽しい時間でした。





今年はライブの感想をできるだけ書こうと思います…。